導入事例インタビュー『群馬県 大泉町役場様』
トピックス
2026/08/18
2026年に供用を開始した群馬県大泉町の新庁舎で、セイコータイムクリエーションのデジタルサイネージが導入されています。大泉町は、住民のおよそ2割を外国籍の方が占めます。多文化共生の町における新しい情報発信のあり方について、広報を担当する総務部 秘書室 広聴広報係 係長の栗原健児さまにお話をうかがいました。

―はじめに、新庁舎建て替えの経緯をお聞かせください
旧庁舎の築年数が50年を過ぎようとする中、老朽化や庁舎内の狭あい化、ユニバーサルデザインへの対応が課題となっていました。なかでも耐震性の確保は特に重要な課題であり、災害時に防災拠点としての役割を果たすためにも、町役場の機能強化は不可欠であると考え、庁舎を建て替えることになりました。
新庁舎への移転に合わせて、業務のデジタル化やペーパーレス化を積極的に進めています。データ活用が適している業務の電子化を進める一方で、基本的にはデジタル庁の方針に沿いながらも、実務上「紙のほうが効率的かつ効果的である」と判断できる業務は無理にデジタル化せず紙で残すなど、現場に即した実用的なバランスを探っているところです。
―大泉町は外国籍の住民の方が多いことで知られています。多言語への対応も、庁舎のデジタル化の狙いの一つだったのでしょうか
多言語での対応そのものは、旧庁舎の時から実施していました。大泉町の住民は、外国籍の方が約2割を占め、その中で最も多いのがブラジル国籍の方です。1990年の入管法(出入国管理及び難民認定法)改正をきっかけにブラジルを中心とする日系人の移住者が増え、コミュニティが作られていきました。法改正から30年以上が経ち、現在は当時来られた方のお子さん・お孫さん世代の方も暮らしています。
そのような環境だったので、もともとブラジルの公用語であるポルトガル語での案内は行っていました。しかし旧庁舎のデジタルサイネージは基本的に1画面の運用で、各課から提出された資料をそのまま映していたので、ポルトガル語用の番組までは用意できていませんでした。新庁舎では、最も大きなサイネージを4分割してその中の1枠をポルトガル語専用のコーナーにしています。
―現在庁舎内では、どのようにデジタルサイネージを使われていますか?
セイコータイムクリエーションのサイネージとしては、大きく3種類を使っています。1つめは縦型のポスター型サイネージです。旧庁舎では紙のポスターを貼って発信していた情報を、このサイネージに集約しています。押しボタン式のコントローラを接続し、職員が案内の際に自由に映像を切り替えられるようにしています。
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旧庁舎では壁に貼っていた紙ポスターの情報をサイネージに集約。すっきりした雰囲気と情報量を両立させた -
縦型サイネージには押しボタン式のコントローラが接続され、最大8種類のコンテンツを任意のタイミングで切り替えられる
2つめが、先ほどお話しした4分割の画面です。86インチの大画面を4分割して使っています。1枠は多言語対応、その他の枠は庁舎の案内や会議室の利用状況などを表示しています。非常に大きくて目立つため、エントランスに入られた来庁者の方が真っ先に見てくださっているようです。
3つめは、待合所にあるサイネージです。こちらは分割せず、大型サイネージの1枠分の映像を流しており、主に住民課の手続きでお待ちのお客様にご覧いただいています。
庁舎全体で「紙のポスター等は基本的に掲示しない」という方向性のもと、窓口や受付カウンターにも紙のチラシやパンフレットは置かないことにしています。見た目もすっきりしますし、デジタルへの移行を常に意識できる環境が大切かなと思っています。デジタルサイネージの活用も、その一環です。
―デジタルサイネージの導入にあたっては、プロポーザル方式(企画競争入札)で業者選定をされたとうかがいました
金額だけでは決められない設備については、プロポーザル方式で選定をしました。新庁舎は時代に合った、新しい公共サービスの起点となる場所なので、デジタルサイネージにおいては、デザインが洗練されていることや導入によって職員の負担がしっかり軽減できること、操作性が良いこと、導入後の職員へのフォロー体制などを重視しました。
設置に向けた進行管理には苦労しました。機材を置くスペースの確保や工事のタイミングの調整といった全体の計画を、緻密に管理する必要があったためです。新庁舎建設室という部署が、あらゆるセクションとの調整をしてくれていました。
―表示コンテンツは、どのように制作・運用されているのでしょうか
定常的なお知らせは、基本的に各課の担当者が作っています。共有サーバの指定の場所にアップロードしてもらったものを、私たち広聴広報係がサイネージにセットしています。各課から発信したい情報の相談を受けて、データ作成の提案をすることもあります。国の機関が作ったデータをそのまま使うこともあります。
また、防災・防犯に関する情報を、緊急速報として自動表示するシステムも構築してあります。本庁の危機管理セクションが運用している「安全・安心メール」と連動しており、火災や地震、台風に関する情報が発信されると、テロップが自動で表示される仕組みです。
縦型サイネージは、視察の方がいらっしゃるときのウェルカムボードとして使うこともあります。物理ボタンの使い勝手がいいですね。現場にとって必要なタイミングでコンテンツを切り替えられるのは、とても便利です。
横型のサイネージでは、町議会の生中継にも対応しています。もともと議会を放送する仕組みは持っていたので、その映像をそのままサイネージで放送できるようにしました。普段は4分割している86インチモニターを全画面使うためインパクトが大きく、来庁された方に見ていただけました。
―今後、どのように情報発信を進めていきたいとお考えですか
来庁される方は、サイネージを見に来ているわけではなく、みなさまそれぞれの目的があって来られています。ですが、そのような方の視界に半ば強制的に入るのがサイネージの強みだと思います。ただ漫然と行政情報を流すだけではなく、時間帯や時期に応じて情報を出し分けたり、集中させたりするなど、もっとサイネージを使いこなしたいですね。
また、脱・属人化も進めたいと考えています。現在は主に広聴広報係の係員がサイネージを操作していますが、彼らしか使えないままではいけないと思っています。公務員は必ず異動があるので、そのたびにコンテンツの取り扱い方針が変わったり、操作そのものに手こずったりしてしまっては良くない。ヘビーユーザーに依存する体制は見直さないといけません。
セイコータイムクリエーションさんから操作マニュアルはいただいているので、それをもとにしたクイックガイドのようなものを作りたいと思っています。われわれの用途に合わせ、技術的な操作方法を伝えるものと、情報発信に関する考え方を伝えるガイドラインのようなもの。その両方を定めて、引き継いでいく必要があります。
サイネージは、情報発信のデジタル化がどういったものかを伝えるための、非常に「わかりやすい」媒体だと思います。アナログな手作業や紙に印刷したほうがやりやすい仕事もあるので、全てをデジタル化するべきだとも思っていませんが……柔軟性や即時性というデジタルならではの良さを活かしながら、情報をうまく扱っていきたいですね。
_________今回は、お忙しいところ貴重なお話をありがとうございました
お客様プロフィール
名称
群馬県 大泉町役場
所在地
〒370-0595 群馬県邑楽郡大泉町日の出51番1号
事業内容
地方公共団体(行政サービスの提供)
URL
https://www.town.oizumi.gunma.jp/

