導入事例インタビュー『パナソニック株式会社エレクトリックワークス社様』
トピックス
2026/03/06
パナソニック株式会社エレクトリックワークス社の厚生施設「CultureBase.」内のオールジェンダートイレ「みんなのトイレ」に、セイコータイムクリエーションのトイレ満空表示システム「InfoLink」が採用されています。同施設は、信仰のちがいや身体のハンディキャップ、性別のグラデーションといった多様性を受け入れ、施設を利用するすべての人が安心して過ごせるデザインを目指して作られました。同社の人事・総務センター Well-Being推進部 主幹の浅井建夫さまと、同社の山下光章さまに、お話をうかがいました。

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―新厚生施設「CultureBase.」についてお聞かせください
山下さま
CultureBase.は、旧厚生施設である「厚生会館」をリニューアルし、企業文化や風土を発信する中心地として再定義した施設です。建物の竣工から50年が経ち、老朽化が進んでいたことから、2019年にリニューアルプロジェクトが始まりました。
しかしプロジェクトの始動直後にコロナ禍が起き、一度は計画すべてが白紙に戻りました。社会が感染症との付き合い方に馴れてきた2023年に計画を再開することになり、「社員が会社に来たくなるような場所」「会社が大切にしている文化や姿勢を表明する場所」を目指して、現代の価値観に合う設備を取り入れていきました。「みんなのトイレ」もその中のひとつです。
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自社の照明設備を効果的に使い、癒しや落ち着きの空間を作る -
祈祷室を作ったところ、利用者が現れた。「実は必要とされていたようです」(浅井さま)
浅井さま
コロナ禍をきっかけに、働き方や従業員のニーズは大きく変わりました。たとえば当初の計画では、フリーアドレスのテーブルにミーティング用の固定モニターを設置する予定がありました。しかし現在では皆がリモート会議に馴れて画面共有が主流になり、大きなモニターはむしろ「周囲の目が気になる」と敬遠されています。また、「ちょっと打ち合わせる場所だから不要だろう」と思っていた電源タップは必須になりました。大人数で短時間利用するのではなく、1人や2人といった少人数で食事や仕事をするような利用ケースが多いですね。コロナ禍の最中に無理に進めず、新しいニーズに合わせて作り直せて、結果的に良かったと感じています。
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ベンチ席にひっそりとコンセントが設置されている -
短時間の休憩に好評なテラス席
1階の食堂スペースと「みんなのトイレ」のコンセプトをお聞かせください
浅井さま
1階は「出会いを育てる場所」と位置づけています。有名カフェチェーンを誘致し、室内とテラス席の境界も開放的にして、多くの人が自然に立ち寄れる空間にしました。従業員や企業関係者には無償で開放しているため、社内イベントや勉強会などでも使われています。
多様な人が集まる場所には、誰もが使いやすいトイレが必要になります。それで1階に「みんなのトイレ」を設置しました。2階と3階にはそれぞれ異なるタイプのトイレを設置しています。
山下さま
設計にあたっては、台湾の先行事例などを参考にしました。入口すぐにワンクッション空間としての手洗い場を設置し、それを囲むように半開放の壁をつくって、利用者どうしの鉢合わせが起きにくい動線をデザインしています。
トイレは非常にセンシティブな空間です。ただ男女の壁を取り去って「誰でも使えるトイレ」を作っても、不自由な思いや怖い思いをする人が出てしまいます。過去のうまくいかなかった事例もよく調べて、誰もがプライバシーを守りながら安心できる場所、ただ用を足すだけではない、リフレッシュができるような場所を意識してデザインしました。
―みんなのトイレで、InfoLinkはどのようにお役に立てているのでしょうか
浅井さま
満室、空室を3つのパターンで掲示しています。まず、食堂の入り口からすぐに見える場所に「空室があるかないか」が分かる表示灯を設置しています。また、手洗い場の壁面にプロジェクターで各個室の利用状況を投影し、トイレ空間に入る前に個室の状況が分かるようになっています。さらに、各個室の扉にも表示灯を付け、トイレの前で空室か利用中か確認できます。
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鍵をかけるとロックバーに押されて回路が閉じ、扉の前の赤色灯が点灯する -
特に車椅子ユーザーの方は健常者よりも個室の使用時間が長くなるため、個室が使用中であれば順番待ちをせず、別のトイレを探すそうです。そのため、遠くから見てもすぐに利用状況が分かるようにしました。「食堂に入った瞬間に、空いているか、そうではないかが分かる仕組み」を最優先でリクエストしたものです。
山下さま
プロジェクター投影についても議論を重ねました。当初は液晶ディスプレイで表示する案で進めていたのですが、何も映っていないときに「真っ黒な画面」になるため、トイレ全体のデザインから浮いてしまいます。一長一短はありましたが、検討の末、現在の形に落ち着きました。
プライバシーと開放感を両立するデザインを詰めていったものの、それでも当初は、正直なところ「本当に使ってもらえるだろうか」という懐疑的な気持ちもありました。しかし現在は、しっかり馴染んでいるように見えます。当初の方針をブラさずに進められたからこその結果だと感じています。
―オープンから9ヶ月が経ちました。現在のご利用状況はいかがでしょうか。
浅井さま
現在、敷地内に出勤している人員は4000人ほどで、その中から1500人前後の方にご利用いただいています。また、最近は仕事以外での利用も増えています。社内のボードゲーム同好会がイベントを開いたり、とある部門が年末の餅つき大会を開いたりもしました。特に餅つき大会はとても盛り上がり、CultureBase.を「こんな風に使っていいんだ」と感じてもらえたようでした。面白いことをやっている様子を他の社員が目撃することで、「自分たちも何かやってみよう」というポジティブな連鎖が生まれています。
今いる従業員が居心地よく働けるようにすると同時に、就職先を探す学生さんたちに「この会社で働きたい」と思ってもらえるような環境を作っていきたいですね。そのために誰もが安心して利用できる設備を運用し、信仰の多様性や性別のグラデーションを受け入れる姿勢を発信していきたいと思っています。
山下さま
技術とデザインで施設を育て、より良い企業文化をはぐくんでいきたいと思っています。
_________今回は、お忙しいところ貴重なお話しをありがとうございました
お客様プロフィール
名称
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
(Electric Works Company, Panasonic Corporation)
所在地
〒571-8686 大阪府門真市大字門真1048番地
URL
https://panasonic.co.jp/ew/

