導入事例インタビュー『秩父市役所様』
トピックス
2026/01/20
「秩父市役所」と「秩父宮記念市民会館」に、セイコータイムクリエーションの「タイムリンクプロ」が導入された。
導入後の運用状況や使用感について、秩父市財務部管財課の小村氏に話をうかがった。

財務部 管財課 小村氏
秩父市イメージキャラクターのポテくまくんとぷめるちゃん
秩父の文化拠点と行政拠点、二つの建屋を「正確な時間」でつなぐ「タイムリンクプロ」
埼玉県秩父市の中心部に、市役所本庁舎と秩父宮記念市民会館が一体となった施設がある。
旧施設が東日本大震災によって甚大な被害を受けたのをきっかけに、行政機関と文化施設が共存する合築形式で新築されたものだ。
2017年3月の竣工以来、住民票管理や戸籍管理、子育て支援といった市民サービスと、
歌舞伎や演劇といった文化芸術イベントが同じ敷地内で提供されており、そこにセイコータイムクリエーションの「タイムリンクプロ」が導入されている。
導入施設のメリット……メンテナンスフリーで、常に正確な時間を表示
同庁で設備管理業務を担当する財務部 管財課の小村氏は「そういえば、時計の管理で困ったことがほとんどありません」と語る。
「私は、建屋内の設備品の維持管理を担当しています。照明器具や敷設マットの交換、衛生機器の管理といった日常業務に加え、年度の切り替わりでは部署移動に伴う引っ越し、数年おきの設備更新といった集中作業が発生し、慌ただしくなる季節もあります。
そんな中、私が入庁してからの4年間で、時計のメンテナンスはほとんどしたことがありません」
数少ないメンテナンス作業としては電池交換をしたことが「4年の間に1~2回、あったかどうか……」程度だという。
「日当たりの悪い場所に設置したソーラー時計の電池を変えた以外は、本当に何もしなくて済んでいます」(小村氏)
ソーラーパネルで電力を自給自足し、市役所と市民会館の館内全体を、総務省が運用する標準電波の時刻で同期するため、電波が届く範囲であればズレも発生しない。
タイムリンクプロによって、「ズレなし、電池切れなし」の正確な時刻表示が、メンテナンスフリーで実現できている。
「前職では民間の製造業にいたのですが、現場には時計がほとんどなく、各自が腕時計やスマートフォンで時間を確認していました。
しかし市役所では、定期的にチャイムが鳴り、始業・休憩・終業などの時間が厳密に管理されています。特に重要なのは議会で、開会や休憩、再開などが、決められた時間に従って進行します。
議員の方や傍聴の方にとって、当たり前に時刻が正確であり、設置された時計を基準に安心して行動できる状態は、実は大切なものだと感じています」(小村氏)
ホールや部屋を貸し出す際も、時間管理が必要になる。それらの基準に「必ず正確な時刻を示している時計」がある状態は、公共施設の運営を支える「縁の下の力持ち」だ。
設計上のメリット……「配線不要」の完全無線中継で、複雑な建屋構造の隅々まで同期信号が届く
秩父市役所本庁舎と秩父宮記念市民会館は、渡り廊下でつながった隣接建築物だ。利用者の利便性を考慮した、複雑な構造を持つ。
電波時計は標準電波を受信して時刻を補正するため、建屋の構造や設備、壁素材などによっては、電波が届きにくくなる。そのため、一般的な電波時計には「窓際から離れると時間がずれる」「地下や堅牢な構造を持つ施設施設などに設置した時計は全く同期できない」といった問題が起きやすい。
タイムリンクプロは、この施設のような複雑な構造にも対応可能な、「建屋屋上で受信した標準電波を、無線中継器で全体に共有して同期させる」という仕組みを持つ。
最大の特長は、中継器どうしの通信が「完全無線」であることだ。タイムリンクプロは建屋屋上のアンテナで標準電波を受信し、それを426MHz帯の「特定小電力無線」で中継器に送信して、中継器から建屋内の各時計まで届けている。
※特定小電力無線は「電動シャッターのリモコン」などで利用される帯域。比較的低速なため情報通信には適さないが、蛍光灯や電子レンジなどが発する電波の干渉を受けにくい。
完全無線中継は、施設内の配線を不要にするもので、セイコータイムクリエーションの独自技術だ。
中継器と時計の間が無線でも、中継器どうしを有線で繋ぐ製品の場合、設備内の配線が必要になる。一方でタイムリンクプロは「中継器間の通信も無線」であるため、施工の自由度が高く、新築の際は配線ルートの検討が不要になる。
また、既存建物のリニューアルや増設の際も、中継器を単独で追加するのみで完結するため、「レイアウト変更で壁が増えた」や「壁に穴を開けられない場所がある」といった場合でも、中継器を置くだけで対応が完結する。
秩父市では、市役所本庁舎の屋上で電波を受信し、中継器を介して秩父宮記念市民会館に送って、2棟の時刻を完全に同期させている。
長く愛される公共施設を支える、安心して頼れるインフラ
秩父市役所と秩父宮記念市民会館の竣工から9年が経過し、大きな内装のリニューアルはないものの、組織改編に伴う細かい席替えや課の移動は度々発生している。
「その都度、サイン(案内表示)の変更や内線の調整、物の配置パズルに頭を悩ませています。特に、年度末にあたる3月は、最もバタつく時期です」(小村氏)
しかし、それらの業務の中でも、時計の管理について心配することは全くないという。あるのが当たり前、正確なのが当たり前の設備として、タイムリンクプロは公共施設を支えている。
他の地方と同様に、秩父市でも少子化と住民の転出は課題になっている。一方で、人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の「聖地」としても知られ、秩父市役所自体も人気の観光スポットになっている。
行政と文化、そして観光の結節点として、同庁は秩父市のまちづくりを担っている。タイムリンクプロは、その舞台裏を静かに、しかし確実に支えている。
お客様プロフィール
役所名
秩父市役所
所在地
〒368-8686 埼玉県秩父市熊木町8番15号
通常開庁時間
8時30分~17時15分 (土・日・祝日・年末年始を除く)
URL
https://city.chichibu.lg.jp/

